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月別アーカイブ: 2025年6月

第6回五島の暮らしを支える浄化槽設置工事講座

皆さんこんにちは!


CEGハウジング、更新担当の中西です。

 

 

現場で学んだ!浄化槽設置工事の鉄則

〜安全・確実・長寿命な施工を実現するために〜


今回は、浄化槽設置工事における「現場の鉄則」を、長年の施工経験をもとに詳しくご紹介します。

法令や技術基準を守るのはもちろんのこと、実際の現場で求められるのは、**“生きたノウハウ”**です。


◆ 鉄則①:敷地調査は“深く、広く”読む

 

浄化槽は、建物裏の片隅に設置されることが多いですが、地盤の状態・地下水位・周辺インフラとの関係など、細かな地中条件が工事の成否を分けます。

  • 地盤が軟弱なら、砕石+捨てコン打設で安定性を確保

  • 高地下水エリアでは地下水ピットや揚水ポンプの事前準備が必須

  • 周辺の配管・ガス管・電線とのクリアランスも入念に確認


◆ 鉄則②:設置角度とレベルを妥協しない

 

浄化槽本体は、わずかな傾きが水位バランスを狂わせる繊細な設備です。
施工時には以下の点を厳守:

  • 水平を±3mm以内で管理

  • マンホールと地面との高さ調整(沈下を想定した設計)

  • 設置後には再度水張り検査を実施


◆ 鉄則③:配管接続は「流れを読む」

 

排水の“勾配”や“方向”を少しでも誤ると、逆流・詰まり・臭気漏れの原因になります。

  • 勾配:1/50〜1/100を基本にしつつ、長距離配管では空気抜きを考慮

  • 接続角度:**急な曲がりは禁止!**必ず45度エルボ・2段継手を使用

  • 通気管設置も忘れずに(臭気対策・機能維持)


◆ 鉄則④:保守点検を見越した設計

 

施工して終わりではなく、「維持管理しやすい配置・構造」にすることが、トラブル予防の第一歩です。

  • 点検用マンホールを清掃車がアクセスしやすい位置に配置

  • メーカー仕様に準じた保守スペースの確保(片側30cm以上)

  • 電源・制御盤の位置も点検者の導線を考慮


◆ 鉄則⑤:設置後こそ“信頼の始まり”

 

引き渡しの瞬間から、浄化槽は“生き物”としての管理が始まります。

  • 試運転・通水試験を丁寧に実施

  • 使用者に対して管理のポイントを口頭&書面で説明

  • 維持管理業者との連携体制も構築しておくとベスト


◆ まとめ:鉄則は“現場で磨かれる”

 

浄化槽設置工事は、法律や図面通りに進めるだけでは不十分。
現場ごとの環境や条件に応じて最適な判断を積み重ねることが求められます。

それはまさに、経験と技術、そして“先を読む力”が問われる仕事。

私たちはこれからも、1件1件の現場で「信頼される工事」を積み重ねていきます。

 

 

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次回もお楽しみに!

 

 

 

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第5回五島の暮らしを支える浄化槽設置工事講座

皆さんこんにちは!


CEGハウジング、更新担当の中西です。

 

 

浄化槽設置工事の歴史をたどる

〜生活排水処理の変遷と、私たちの暮らしを支えてきた技術〜


今回は、私たちの業務の中心でもある「浄化槽設置工事の歴史」についてご紹介します。

一見すると地味な分野かもしれませんが、私たちの生活インフラを陰で支えてきた極めて重要な技術です。


◆ 生活排水はどこへ行くのか?

 

現代において、トイレ・風呂・台所・洗濯などから発生する排水は、下水処理場または浄化槽を通じて浄化されます。

都市部では下水道が整備されている一方で、地方・郊外・山間部・離島などでは「浄化槽」が生活排水処理の主役です。


◆ 浄化槽のはじまり ― 1960年代からの普及

 

日本で浄化槽が広く導入され始めたのは高度経済成長期の1960年代
都市の拡大とともに人口が郊外に流れ、下水道整備の追いつかない地域で個別処理型の浄化槽が求められるようになりました。

当初は「単独処理浄化槽(トイレ排水のみ処理)」が主流でしたが、後に「**合併処理浄化槽(生活排水全体を処理)」の重要性が高まり、普及が進みました。


◆ 浄化槽の歴史を彩る3つの転換点

 

① 1983年:浄化槽法の制定

これにより、設置・維持管理の基準が全国的に統一され、
“ただ設置すればよい”から“適切に維持してこそ意味がある”へと変化。

② 2001年:合併処理浄化槽への転換促進

国の方針として「単独浄化槽は廃止方向」とされ、補助金制度などを活用した入れ替えが進行。
「トイレだけでなく、生活全体の排水を処理する」という概念が広まりました。

③ 近年:環境・SDGs視点から再注目

気候変動や災害対策の観点から、コンパクトで自己完結型の排水処理設備である浄化槽が再評価されています。


◆ 浄化槽の役割は“水の循環”の中にある

 

浄化槽は、ただ汚れた水を“流す”だけの設備ではありません。
「自然に近い形で水を戻す」仕組みであり、雨水や地下水、そして私たちの飲み水にも間接的につながる存在です。

地方や山間部では、浄化槽が川や田畑を汚さないための最前線の守り手になっています。


◆ 今後の展望:災害・分散型社会における重要性

 

  • 集中処理から分散処理へ

  • 災害時に自立稼働するバイオ式浄化槽の需要

  • 海外展開(途上国・離島への技術提供)

浄化槽技術は、今後ますます進化し、「安全な水循環」を守るグローバルスタンダードへと成長していくことでしょう。

 

 

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次回もお楽しみに!

 

 

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